連載全1回のうち第1回目
作成:讃匠 麺研究センター
私ロッキー藤井は、7月27日(日)から31日(水)まで、台湾・台南へ出張してまいりました。
今回の出張は、香川県で最も格式あるうどん店「郷屋敷」の三野会長が台南で新たに手がける**「カフェ+オートバイ神社」**という斬新な複合店舗「輪楽(わらく)」の現地指導が目的です。
香川県の郊外、三木町でひそかに話題を集めているユニークなカフェがあります。 その名は**「輪楽(わらく)」**といいます。
朱色の鳥居とバイク絵馬が並ぶこの場所は、ただのカフェではありません。隣には「オートバイ神社」が併設されており、ライダーたちの聖地としても知られつつあります。
この仕掛けを生み出したのが、「郷屋敷」の創業者であり、香川の食文化をけん引してきた三野会長です。
会長が新たに打ち出したこのモデルが、今、海を越えて台湾・台南へと広がろうとしています。
飲食業界ではよく知られたことですが、郊外型のカフェは“集客”に苦しむ傾向があります。 いくら味が良く、雰囲気がよくても、わざわざ足を運ぶ理由がなければ人は動きません。
そんな課題を解決したのが、「目的地」そのものを作ってしまうという発想。 カフェの隣に「オートバイ神社」をつくることで、バイク好きの人たちが“祈願の旅”として訪れる場所に進化させたのです。
つまり、輪楽は「飲食店」ではなく、「目的地」なのです。
香川県三木町の輪楽では、すでにこのモデルが機能し、多くのライダーたちが訪れ、SNSで拡散し、リピーターを生んでいます。
三野会長が手がけるこの海外展開第1号店は、すでに店舗がほぼ完成しており、開店前の最終指導とメニュー開発が目的です。
特に注目すべきは、台南という街の特性――ここはアジア有数のビーガン文化の本場でもあります。
この点をふまえ、今回は植物性食材のみを使った「ビーガンうどん料理」の開発・指導も行います。
うどんには「長く伸びる」=「長寿・繁栄」の象徴という縁起が込められています。 一方で、オートバイ神社は「無事故・安全祈願」の場。
つまり、神社で祈り、縁起物としてうどんを食すという一連の流れは、文化的にも心理的にも極めて自然で、一貫性のある体験になります。
このモデルが台南で成功すれば、他の国や地域への展開も現実味を帯びてきます。
いま、日本の郊外には「集客に悩むカフェ・レストラン」「使われていない空き地や駐車場」が数多く存在します。
もしそこに“目的地”としての神社を設けることができれば、単なる飲食店ではなく、地域に新しい流れを生む拠点になります。
バイク乗りはもちろん、クルマ好き、写真好き、歴史好き、神社好き… 情熱を持つ人たちが、自らの意志で集まってくる場。それが「輪楽モデル」の本質です。
地方創生・観光施策・高齢者雇用・空き店舗活用など、あらゆる分野に展開可能です。 これからの飲食店が生き残るための新しい戦略として、ぜひ一緒に広げていけたらと願っております。