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連載全1回のうち第1回目

作成:讃匠 麺研究センター

「こだわり」を「負担」にしないために

うどん店の三重苦を乗り越える「経営の進化」とは
今、全国のうどん店を直撃している現実があります。それが「三重苦」です。
  • 1. 人手不足
  • 2. 資材高騰
  • 3. 客数減少

「これはうちのお店だけの悩みではないか」と思われる方もいるかもしれませんが、日本中の全てのうどん店が同じ苦しみを抱えています。

第1の苦:人手不足が招く、製麺作業の「負担集中」と「時間の限界」

人手不足が深刻な飲食業界では、特に自家製麺を担える人材がいないことが問題となっています 。

経験豊富な麺職人はなかなか採用できず、結局、製麺の作業が特定の職人や店主本人に集中し、他の仕事に手が回らない状況に陥っている方が少なくありません。

この「製麺にかかる時間と労力」が、人手不足と相まって、結果的に経営全体のボトルネックとなっていないでしょうか。

第2の苦:収まらない「資材高騰」の波

小麦粉の価格高騰は続き、さらに製麺機を動かす電気代やガス代などの光熱費も高止まりしています。

自家製麺を維持しようとすると、これらの変動するコストを全て自店で吸収しなければなりません。

売上を上げる努力をしても、変動費の増大で利益が削られていきます。このジレンマが、経営を疲弊させている大きな要因の一つです。

第3の苦:「客数減少」に手を打つ時間がない

厳しい状況下でも売上を維持するためには、リピーターの確保や新しい客層への販促が必要です。

しかし、製麺作業に時間と労力が取られてしまうため、メニュー開発、SNSでの情報発信、新しい販促戦略の検討といった「売上を作るための仕事」に手が回らないという悪循環に陥ってしまいます。

他店と同じことをしていては、この「三重苦」から脱出できません。

「人は足りない、コストは上がる、客数は減る」 。

この厳しい時代に勝ち残るためには、「他店と同じことを続ける」という選択肢を疑う必要があります 。

問われているのは、「繁盛し続けるために、経営をどう進化させるか」です 。

成功事例:広島の人気店「太閤うどん」様の戦略的決断

広島で人気の「太閤うどん」様は、現在3店舗を展開されています 。1号店・2号店では製麺機を導入し、自家製麺で運営されていました。

しかし、3号店を広島駅6階の駅ナカに出店する際、駅ビル側の規定により製麺機を置くことができないという厳しい制約に直面します。

「自家製麺を続けることが不可能」となってしまった条件の下で、丹井オーナーが選んだのは、美味しさにこだわっている仕入れ麺を導入するという戦略的決断でした。

「自家製麺を続けることが不可能」となってしまった条件の下で、丹井オーナーが選んだのは、美味しさにこだわっている仕入れ麺を導入するという戦略的決断でした 。

その結果、太閤うどん様は経営をさらに進化させています。

  • 他の仕込みに時間がかけられるようになった。
  • 仕入れ麺に変えて麺が美味しくなった。
  • 従業員の働く時間が短くなった
  • 1号店でも仕入れ麺を導入し、高齢の社員にかかっていた製麺への負担がなくなった。

この柔軟な決断により、3号店は開業初月から順調なスタートを切り、今では駅ナカの人気店として賑わいを見せています。

太閤うどん様の事例は、「美味しさへのこだわり」と「経営効率」を両立できることを証明しています。

詳しくはインタビュー動画がございますので、ぜひご覧ください。

>>太閤うどん様 インタビュー動画の全編を見る