連載全4回のうち第3回目
作成:讃匠 麺研究センター
麺料理は世界中で伸びていますが、なぜ、日本は海外市場を目指す必要があるのでしょうか。
既に、日本の大手外食企業のほとんどは、海外での存在感を高めています。
当社の親しく長いユーザーさまのハチバンラーメンはタイで160店舗、一風堂さまは世界中で200店舗余り、
トリドール様は、はるかに多い店舗を海外に出店しています。
いずれも理由は明確です。
これ以上、日本国内での大きな伸びが期待出来ず、成長するために海外に市場を求める他がないのです。
アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、アジアと世界中で、日本のうどん、ラーメンが伸びています。
何故、日本の麺料理は世界で伸びるのでしょうか。
①日本に対するイメージ
日本の食品、料理は世界で良いイメージを持たれているからです。
日本文化の良いイメージと重なっているのでしょう。
②不景気になるほど麺は強いのです。
ヨーロッパでも不景気の状況では、パスタが売れやすく、
麺が売れやすいのです。
③少子高齢化
人口爆発地帯のアフリカ、東南アジア等の後進国以外では、
少子高齢化が進んでいます。
人口の非常に多い、中国でも少子高齢化が加速しています。 しかし、人口動態は完全に予測出来る未来です。
では、少子高齢化で、何故、麺類が有利なのでしょうか。
それは食べ易さが関係しています。
麺はパンや米に比べて、咀嚼回数が少なく、消化の負担が低いからです。
含水率が比較的高いので、消化が速いのです。
④材料としての小麦粉 粉もんビジネスの有利さ
小麦粉のメリットを紹介しましょう。
1)小麦の栽培と研究
2)小麦は世界中で栽培され、連作障害が無い
3)入手のし易さ
4)世界中、どこでも比較的入手し易い
5)加工のし易さ
6)水で練り合わせることにより、色んな形状、状態に加工し易い
7)価格の問題
8)価格も比較的安定していて、国際相場は日本の国内相場の半分以下
海外での麺ビジネス展開は、日本食ブームを追い風にして、近年注目を集めています。
しかし、永続的な成功のためには、単に日本食を提供するだけでなく、
現地の食文化や消費者の嗜好に合わせた戦略的な展開が不可欠です。
①市場調査と現地の好みに合った戦略
前回のメルマガでも、徹底的な分析が必要と書きましたが、海外でのビジネスでも同様です。
徹底的な市場調査・分析が大切です。
各国の食文化、嗜好、競合状況、経済状況などを深く理解し、
自社の強みを活かせる市場を特定します。
そして、提供するメニューは現地の方々の好みに合っていないといけません。
日本食を現地流にイノベーションさせるのも良いでしょう。
グローバル化に成功し、世界中に広まっている有名な食べ物は、ハンバーガーとか、ピザを筆頭に、
日本食では寿司が既にグローバルフードになっていると言えるでしょう。
なぜ、寿司がグローバルフードになれたかと言えば、寿司がアメリカへ渡り、
西海岸でカリフォルニア・ロールができたことが、きっかけではないかと考えています。
もし、寿司が握りずしと海苔の巻き寿司だけで、それ以外のものは寿司とは言えないと言っていれば、
グローバル化しなかったのではないかと思います。
同じように、ラーメンも既にグローバル化していると言えるのは、ラーメンとはこんなもので、
それ以外はラーメンではないという縛りがないからではないでしょうか。
要するに、伝統をかたくなに守るだけではなく、イノベーションを起こし、
何でもありの世界に行った方が世界中に広まり、グローバルフードになり易いのではと思っています。
また、現地の食材を積極的に取り入れ、スパイスや味付けを調整することで、
現地の人々の好みに合うようにカスタマイズします。
価格設定も非常に重要な項目の1つでしょう。
現地の経済状況や競合店の価格帯を考慮し、価格設定を行います。