うどんの画像

作成:讃匠 麺研究センター

お客様のニーズを認識のズレなく理解する方法

——言葉ではなく“行動”に本音が出る

目次

「お客様のニーズを知りたい」と考える店主は多いですが、 実は多くのお店がある大切なポイントに気づけずにいます。

それは—— お客様の言葉を、そのまま信じてしまうことです。

人は本音を口にしません。
特に飲食では、
「何が好き?」
「どんな味が良い?」
と聞かれると、ほとんどの人が“建前”で答えます。

繁盛店は違います。

店主は 言葉ではなく“行動”を見る。 ここに、認識のズレをなくす最大の秘訣があります。

表層ニーズと深層ニーズの違い

表層ニーズとは、
「早く食べたい」
「安いほうがいい」など、
口で言いやすい要求です。

しかし、本当に店を選ぶ理由は別にあります。

  • なぜ10分待っても食べたいのか
  • なぜ遠回りしてでも来店するのか
  • なぜ写真を撮るのか
  • なぜ出汁を飲み干すのか

これが “深層ニーズ”=本音の欲求 です。

讃岐うどんの本質価値はまさにこの深層にあります。

刺身のような透明感、噛んでも切れない粘り、 茹で立ての湯気と出汁の香り——。

人はこの“快感の再現”を求めて来店します。

うどんは、ただお腹を満たすための料理ではなく、 ストレスを溶かし、心を整える料理なのです。

行動こそが「本音の言語」

では、深層ニーズはどこに現れるのか?

答えはシンプルです。

お客様の“行動”にすべて現れる。

うどん店で観察すべき行動は、次の5つです。

① 何を最初に手に取るか

例:天ぷらか、おでんか、冷たいものか温かいものか。 これは“体の不足”を埋める行動です。

② どれを残すか

「残されるもの」には必ず理由があります。

味・食感・量・温度・油分の“違和感ポイント”が潜んでいます。

③ どの順番で食べるか

うどん→天ぷら→出汁、なのか 天ぷら→うどん、なのか。

人は“快感の頂点”を無意識に先に食べます。

④ どこで迷うか

レジ前で迷うのか、トッピングで迷うのか。

迷い=ニーズと商品設計のズレです。

⑤ 写真を撮る瞬間

麺の輝き・立ち上る湯気・食欲をそそる麺の箸上げ。

写真のタイミングは、“お客様が最も感動した瞬間”の記録です。

言葉よりも、この5つの観察の方が100倍正確です。

香川うどん文化に学ぶ「ニーズの読み取り」

香川県のうどん店は、 “行動を読む文化”によって進化してきました。

茹で立ては10分かかる——
では、その待つ10分をどうするか?

  • おでん
  • おにぎり
  • 稲荷・巻きずし

のセルフサービス文化です。

これは「空腹を満たすため」ではありません。

待ち時間が“楽しみ”に変わるように設計されています。

お客様の行動を読み切っているからこそ、 うどん店は待たせても繁盛できるのです。

認識のズレをなくす“翻訳力”

繁盛店は、 お客様の行動を“翻訳”する力に長けています。

行動の裏側には、実はこんな本音が隠れています。

  • •「熱々が好き」 → 体温を上げたい/疲れを飛ばしたい
  • 「コシが好き」 → ストレスを解消したい/脳に快感刺激を得たい
  • 「天ぷらが欲しい」 →たんぱく質不足・満足感の補強
  • 「コシが好き」 → ストレスを解消したい/脳に快感刺激を得たい
  • 「写真を撮る」 → SNSで語りたくなる“誇れる一杯”だった
お客様は本音を言いませんが、 行動は嘘をつきません。

認識のズレがなくなると、 メニュー開発も、価格設定も、店内導線も、 すべての判断が正しくなります。

それが、うどんビジネスの本質です。

弾力・粘り・透明感の三拍子が揃うと、 一度食べたお客様が「またあの麺を食べたい」と思うようになります。

味ではなく、“記憶に残る食感”という心の満足なのです。

〜ニーズ理解の黄金法則〜

  • 言葉は建前、行動が本音。
  • 深層ニーズは“快感”と“栄養”にある。
  • 迷い・選択・残す・撮る——行動を読み取る。
  • 香川県のうどん店文化にあるように、「待ち時間」でさえも価値化できる。
  • 認識のズレが消えると、繁盛の道が開ける。