連載全1回のうち第1回目
作成:讃匠 麺研究センター
いま、飲食業界で最も強いマーケティングワードは「女性が選ぶ」です。 その理由は数字が物語っています。
つまり――「女性が財布を開く場所=儲かる場所」なのです。
女性が「行きたい」と思う店は、家族・恋人・友人を連れて来ます。
結果として、男性客・ファミリー層・観光客までもが集まります。
女性を惹きつける店づくりこそ、最も効率の良い経営戦略です。
女性客は、味よりも先に「空気」を見ています。
開放感があり、明るい雰囲気のお店が好まれます。暑すぎず寒すぎない心地よい温度感、出汁や料理以外の香りがしないクリーンな空気感が理想です。
また入口からトイレに至るまで隅々まで清掃が行き届いているかどうか、そして、スタッフの笑顔や挨拶も大切です。
雰囲気という“無意識の第一印象”で、店の印象は8割決まります。
女性が求めているのは、「強い味」ではなく「やさしい余韻」です。
女性がリピートしたくなる理由は、「おいしい」より「安心できる」なのです。
この「やさしさ」は単なる味付けにとどまりません。
お客様への「配慮」という名の余韻です。
冷たいドリンクの注文があれば氷の量の調節についてお聞きすると喜ばれます。
また食事が終わったタイミングで口直しの小さなデザートのサービスも好印象です。
“私のために配慮をしてくれている”という気遣いが女性にとっての安心感になります。
この心の余韻こそが、女性のお客様の心に響き、リピートへと繋がるのです。
女性客がSNSに投稿したくなる条件は3つです。
「器がきれい」「盛り付けが上品」「麺が美しい」
うどんの艶やかな透明感と、もちもちとした張りのある表面は、 自然光でも照明下でも美しく映えます。
器・天ぷら・薬味の色合いを整えれば、“写真で集客できるうどん店”が完成します。
真上から写真を撮った時に華やかで盛り付けがきれいな料理であれば、お店が宣伝をしなくてもSNSでお客様が宣伝をしてくれるようになります。
「女性が選ぶ店」は、実はすべての層に好かれる店です。
女性が心地よいと思う環境は、男性にとっても居心地が良く、 子ども連れにも優しい設計になります。
つまり、女性視点の店舗づくりは“全方位型の繁盛戦略”です。
これからの時代、繁盛のカギは「味」でも「価格」でもありません。
“誰が選ぶか”――その主語が女性であるかどうか。
女性にウケるお店は、“すべての人に愛されるお店”です。