連載全3回のうち第1回目
作成:讃匠 麺研究センター
2024年12月7日土曜日、ベルラーシより、当社の親しいお客さまが初めて来社されました。
ベルラーシと言っても、知らない人が多いと思いますが、ベルラーシはウクライナと陸続きで、
ウクライナの真北に位置して、ウクライナ戦争の影響を大きく受けている国です。
私がベルラーシのお客さまを訪問したのは、コロナの前年2019年7月のことでした。
このお客さまと最初にお会いしたのは、その年の4月に当社が開催したドイツでのイベントでした。
このお客さまはベルラーシの首都ミンスクで、和食の大型店を1軒持ち、イートインとデリバリーが半々で、
非常に成功していたので、ぜひ、デリバリーの様子を見たいと思って訪問しました。
すると、80坪程度の大型店で、イートインとデリバリーをやっていて、デリバリーの車も20台ほど保有し、
月商も日本円で、4500万円ほどで、イートインとデリバリーが半々でした。
私が特に驚いたのは、このオーナーは40歳代で、もともとITのエンジニアで、デリバリーのアプリの導入、
デリバリーの仕組みを作り上げ、飲食ビジネスをイートインだけでなく、デリバリーでも成功させたのです。
それが、コロナの前に完璧にこのシステムを作り上げていたのには、驚きでした。
本日、お会いして話を更に聞いていると、ベルラーシでもコロナの影響で、多くのイートインのレストランが
倒産したにも関わらず、この店はデリバリーが更に伸びて、コロナの影響は全くなかったそうです。
ところが、ウクライナ戦争の影響は大きく、シェフ等の職人が国外に移住し、
せっかく育てあげたシェフが失われて、人手が足りずに、大変困っているそうです。
このように、人手不足は日本だけの課題ではなく、世界レベルで大きな課題になっているのです。
本日は、当社の社員食堂で一緒に昼食を摂り、その後、3時間くらい今後の戦略について話し合いました。
グローバルな話ではありますが、私にとっても大変興味のある話でした。
これからの時代は、何処でビジネスをやろうと、人手不足を考えずにビジネスを行うことは、
ほぼ不可能になって来ています。
特に日本は、少子高齢化が世界でトップレベルの国ですから、我々は日々この件は避けては通れないのです。
その為に、多くの新規開業者は人手を出来るだけ使わないビジネスを志しています。
特に、最近の麺学校の生徒さんの要望は、小さい店舗でのワンオペを希望する生徒さんが非常に増えています。
これも人手不足時代の1つの解決策に違いありません。
しかし、この場合は、ビジネスの規模は非常に小さいビジネスに限られるのと、
もし、自分がダウンしたら、ビジネスは即ストップします。
従って、ワンオペのビジネスを志す場合は、ビジネスを自分1代限りとして、
事業規模を考えない場合は十分通用します。
もっと、自由な発想で人手不足を考えてみると、お客さまをビジネスパートナーとして、
一緒にビジネスを手伝って貰う方法があります。
これを実際に実践している店があります。
神保町駅近くにある未来食堂です。
この未来食堂が行なっているシステムで、人手不足の解消策は以下の通りです。
① ただめし
入り口壁に、ただめし券を貼っています。誰でも使えます。困ったときは使って下さい。 未来食堂には、50分のお手伝いで1食もらえる”まかない”制度があります。 ただめし券は、”まかない”をした誰かが、自分が食べる代わりに置いていった1食です。
② まかない
50分のお手伝いで1食さし上げます。詳しくはまかないのページを御覧ください。 一緒に働いて、本当のまかないを食べてみませんか?
③ さしいれ
カウンターに置いてある飲み物を自由に飲むことが出来ます。 未来食堂では飲み物の持ち込みが出来、そのかわり持ち込んだ半分を頂きます。 カウンターに置いてある飲み物は誰かからの頂き物です。自由にお飲み下さい。
(お店が売っているお酒も、滅多に飲めない良い銘柄です。たった1種類だけ置いています)
以上のような面白い仕組で成功しているレストランが実際にあるのです。
更に、似たような事例では、北米のボストンで日本食のスーパーマーケットを経営している当社のお客さまがいます。
こちらの店では、店内に取社のリッチメンを置き、店内で製麺を見せています。
それを見たお客さまが興味を持って、自分に機械を使わせて欲しいというお客さまが実際にいて、
製麺作業に参加してくれているそうです。
これには、日本では何か工夫が要りますが、工夫をすれば、日本でも通用しそうです。
そして、これを実現しようとすれば、製麺作業が面白い作業であることが大切です。
同時に、安全な機械であり、お客さまが触っても大丈夫な機械です。
その点、当社の製麺機はすべて、素人のパートさんで操作出来るようになっているので、この可能性は高いです。