いつもありがとうございます。讃匠です。
原材料費、人件費、光熱費が上がり続けています。そんな中で、利益を残そうとすると、私たちはつい「もっと売らなければ」「新しい商品を増やさなければ」と考えます。
しかし、その前に一度、今あるメニューを見直してみませんか。
皆さまのお店に、ほとんど注文されないのに、何年も残っている商品はないでしょうか。
・たまに注文するお客様がいるから
・せっかく考えた商品だから
・減らすとメニューが寂しく見えるから
そんな理由で残している商品です。今回は、商品を増やす話ではありません。あえて、減らす話です。
売れない商品にも、見えないコストがかかっている
月に数杯しか出ない商品でも、その商品を残している限り、次のような手間とコストがかかり続けます。
- 材料を準備する
- 在庫を持ち、冷蔵・冷凍する
- 仕込みをする
- スタッフに作り方を覚えてもらう
注文が少ない商品ほど、材料が余りやすく、廃棄につながることもあります。
さらに、メニューが増えるほど厨房の動きは複雑になり、忙しい時間帯のミスも起こりやすくなります。
売上だけを見ていると小さな問題に見えても、店全体では少しずつ負担を増やしている可能性があります。
「メニューが多いほど、お客様が喜ぶ」は本当でしょうか
選択肢が多いことは、一見すると親切です。
しかし、小さな麺店では、品数を増やすほど仕入れ、仕込み、保管、教育、提供のすべてが複雑になります。
大切なのは、何品あるかではありません。お客様が喜んで注文してくださり、店にもきちんと利益が残る商品を、何品持っているかです。
このことを教えてくれるお店が、香川県にあります。
うどん県・香川で一番繁盛している飲食店は、実はうどん店ではないのです。
メニューを絞り込むことで専門性を高め、長く愛され続けているお店の事例を、こちらの記事でご紹介しています。
まず、過去4週間の販売数を見てください
感覚ではなく、数字で見てみましょう。例えば、過去4週間の販売数が次のようになっていたとします。
| 商品 | 過去4週間の販売数 |
|---|---|
| かけうどん | 600杯 |
| 肉うどん | 350杯 |
| カレーうどん | 180杯 |
| きつねうどん | 120杯 |
| ○○うどん | 15杯 |
ここで見ていただきたいのが、最後の15杯の商品です。15杯しか売れない商品に専用の材料が必要で、毎日仕込みがあり、余れば廃棄になるとしたら、本当に残す必要があるでしょうか。
もちろん、販売数が少ないだけで、すぐにやめる必要はありません。高い利益が残る商品や、店の象徴になる商品もあります。
だからこそ、販売数と利益の両方を見る必要があります。
メニューを4つに分けてみる
まず商品を次の4つに分けてみることをおすすめしています。
| 分類 | 状態 | 対応の方向性 |
|---|---|---|
| ① | よく売れて、利益も残る | 店の中心として守り、さらに磨く |
| ② | よく売れるが、利益があまり残らない | 価格・量・原価・トッピングなどを見直す |
| ③ | あまり売れないが、利益が残る | 見せ方やおすすめの仕方を変えて伸ばす |
| ④ | 売れず、利益も残らない | 本当に残す必要があるかを真剣に考える |
①は、店の中心として守り、さらに磨く商品です。
②は、価格、量、原価、トッピングなどを見直す余地があります。
③は、見せ方やおすすめの仕方を変えれば伸びる可能性があります。
そして④は、本当に残す必要があるのかを真剣に考える商品です。
売れない商品をやめることも、立派な商品開発です
商品開発というと、新しいものをつくることばかり考えがちです。
しかし私は、売れない商品をやめ、よく売れる商品に材料、時間、人の力を集中することも、立派な商品開発だと考えています。
一品減らすだけで、次のような変化が期待できます。
- 仕入れる材料が減る
- 仕込みが一つ減る
- 冷蔵庫が整理される
- 新人教育が簡単になる
そして空いた時間を、もっと売れる商品の品質向上に使うことができます。
下位3品を「5つの視点」で確認する
ここで私から、確認してほしいことがあります。過去4週間で「最も売れていない商品」を3品だけ書き出してみてください。
そして、それぞれについて次の5つを確認します。
- その商品は何杯売れたか
- 一杯売ると、いくら利益が残るか
- その商品だけの材料があるか
- 仕込みや提供にどれだけ手間がかかるか
- その商品をやめたら、本当にお客様が困るか
この5つを見たうえで、「残す」「変える」「やめる」のどれかを決めます。いきなり全部を変える必要はありません。まず一品だけで構いません。
小さく試し、現場がどう変わるかを見てください。
今日からできる6つのこと
- 過去4週間の商品別販売数を出す
- 売れていない商品を下から3品選ぶ
- 3品の一杯当たりの利益を確認する
- 専用材料・仕込み・廃棄がないか確認する
- 「残す・変える・やめる」に分ける
- まず一品だけ見直し、1週間現場の変化を見る
メニューを減らす目的は、店を寂しくすることではありません。
売れる商品、お客様が喜ぶ商品に力を集中するためです。
みなさまへの質問
今回も皆さまのお声を聞かせてください。お店で、「思い切ってやめたら、かえって店が良くなった商品」はありませんか。
材料の廃棄が減った、仕込みが楽になった、注文が主力商品に集まった、スタッフが働きやすくなった、という経験があれば、ぜひ教えてください。
反対に、「やめたら常連のお客様から復活してほしいと言われた」という失敗例も大歓迎です。
成功も失敗も、全国の麺店にとって貴重な知恵になります。掲載の可否を確認したうえで、今後のブログで共有していきたいと思います。
まとめ
- 売れない商品にも、材料・在庫・仕込み・教育などの見えないコストがある
- 「メニューが多いほど良い」とは限らない
- 販売数だけでなく、一杯当たりの利益も見る
- 商品を「売れる/売れない」「利益が残る/残らない」で4分類する
- 売れず、利益も残らない商品は見直す
- メニューを減らすことも、立派な商品開発である
これまで、多くの麺店の現場を見てきました。そこで感じるのは、経営が苦しくなると、人はつい「何かを足そう」とすることです。
新商品を足す。メニューを足す。サービスを足す。しかし、足せば足すほど現場が複雑になり、かえって利益が残らなくなることがあります。
経営では、足すことと同じくらい、やめることが大切です。何をやめれば、一番大切な商品にもっと力を注げるのか。何を減らせば、スタッフがもっと楽に、正確に仕事ができるのか。
「売れない商品をやめる」という小さな決断が、店全体を良くするきっかけになることがあります。
まずは一品だけ、見直してみてください。大きな改革ではなく、1%の改善からで十分です。
コンテンツのご紹介・転載について
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