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秋になったのに、温かいうどんが売れないのはなぜか?~湯気・香り・出汁で「また食べたい」をつくる

秋になったのに、温かいうどんが売れないのはなぜか?湯気、香り、出汁|讃匠ブログ

いつもありがとうございます。株式会社讃匠です。

「気温が下がれば、温かいうどんは自然に売れる。」本当にそうでしょうか。

私は50年以上うどん業界を見てきましたが、同じ温かいうどんでも、よく売れる店と、なかなか売れない店があります。

その違いは、単に麺や出汁の味だけではありません。

お客様が一杯のうどんから感じる、湯気、香り、温度、食感、見た目、そして食べた後の満足感。これら全部が商品なのです。

9月はまだ暑い日もあります。だからこそ、「秋だから温かいうどんに切り替える」のではなく、お客様が温かいうどんを食べたくなる理由をつくる。

今回は、そのことを一緒に考えてみたいと思います。

温かいうどんは「五感」で食べる

冷たいうどんの大きな魅力は、次のような点にあります。

  • つるみ
  • のど越し
  • 弾力
  • もちもち感
  • 冷たさ

一方、温かいうどんには、それとは違う魅力があります。

  • 湯気:目の前に運ばれてきた瞬間、丼から立ち上る湯気を見る
  • 香り:温かい出汁から、いりこ・鰹節・昆布などの香りが立ち上がる
  • 食感:一口食べた瞬間に感じる、麺の食感と温かい出汁の一体感

つまり温かいうどんは、味覚だけではなく、視覚・嗅覚・触覚まで含めて楽しむ商品です。私は、「温かいうどんは、五感で食べる料理」だと考えています。

秋冬は「出汁」が主役になる

夏の冷たいうどんでは、麺の食感やのど越しが非常に重要です。しかし、秋から冬になると、出汁の存在感が一気に大きくなります。私は、秋冬こそ「出汁の季節」だと考えています。

  • いりこ
  • 鰹節
  • 昆布
  • 醤油

それぞれの素材が持つ香りと旨味が、温かくすることでより印象的になります。

だからこそ、この時期にはもう一度、「うちの出汁は、本当に美味しいだろうか」と確認していただきたいのです。毎日使っていると、どうしても味に慣れてしまいます

試食は、経営者だけでなく、

  • 店長
  • 厨房スタッフ
  • ホールスタッフ

も一緒に行うのがおすすめです。できれば他店の商品も食べてみましょう。そのうえで、自店の出汁の強みは何なのか、言葉にしてみてください。

温度は「味」の一部である

温かいうどんで、もう一つ非常に大切なのが温度です。せっかく美味しい出汁を作っても、

  • 丼が冷たい
  • 麺が冷えている
  • 提供までに時間がかかる

これでは、お客様のところへ届いた時には、本来の美味しさが失われてしまいます。

反対に、ただ熱ければ良いというものでもありません。最も美味しく感じる状態で、お客様の目の前へ届ける。ここまでが調理です。

私は長年、製麺機や麺づくりに携わる中で、いつも感じていることがあります。それは、美味しさは、一つの工程だけでは決まらないということです。

  • 茹で
  • 洗い
  • 出汁
  • 温度
  • 盛り付け
  • 提供時間

すべてがつながって、初めて「美味しい一杯」になります。

温かいうどんこそ、具材で価値を上げる

これから原材料費、人件費、光熱費などが上昇していく中で、安売りだけでは経営が難しくなります。だからこそ、値段ではなく、価値を上げる。温かいうどんは、その価値をつくりやすい商品です。

例えば、

  • 肉うどん
  • きのこうどん
  • 月見うどん
  • 鶏肉と根菜のうどん
  • 季節野菜の天ぷらうどん
  • 豆腐や卵を使ったうどん
  • 鍋焼きうどん(さらに寒くなれば)

こうした商品は、一杯の満足感を大きく高めます。

そして、

  • 炊き込みご飯
  • おにぎり
  • 小鉢
  • 季節の天ぷら

などを組み合わせれば、単なる「うどん一杯」から、一食として満足できる商品へ進化します。結果として、無理な値上げをしなくても客単価を上げやすくなります。

「健康」を温かいうどんの価値に加える

これからのうどん店では、私は「健康」がますます重要になると考えています。うどんは食べやすい。子どもにも、高齢者にも好まれやすい。

だからこそ、たんぱく質や野菜をしっかり組み合わせることで、さらに価値が高まります。例えば、

  • 鶏肉
  • 牛肉
  • 豆腐
  • 納豆
  • チーズ
  • きのこ
  • 海藻
  • 根菜

こうした食材を上手に組み合わせる。すると、「うどん=炭水化物中心」というイメージから、「身体に必要なものをバランスよく食べられる一杯」へ変えることができます。

特にこれから高齢化が進む中で、食べやすく、温かく、たんぱく質もしっかり摂れる。これは、うどんの大きな強みになると私は考えています。

「美味しそう」が注文をつくる

良い商品を作っても、お客様に伝わらなければ売れません。例えば店頭に、「秋限定 きのこと鶏肉の温かいうどん」と書くだけではなく、「肌寒い日に、出汁の香りでほっとする一杯」と伝えてみる。

あるいはスタッフが、「今日は少し涼しいので、温かい肉うどんがよく出ています。」と一言添える。これは売り込みではありません。

お客様が選びやすくなるためのお手伝いです。メニュー名だけではなく、食べた時の情景まで伝える。これからは、この力がますます重要になります。

AIが進んでも変わらないもの

お客様は、麺だけを食べに来ているのではないということです。出汁の香りを感じ、湯気の立つ丼が運ばれてきて、温かいうどんを口にする。そして、「ああ、美味しかった。」「身体が温まった。」「また来よう。」と思って帰っていただく。そこまで全部が商品です。

これからAIや自動化が進んでも、この「美味しかった」という人間の感覚はなくなりません。むしろ便利になる時代だからこそ、一杯のうどんで感じる温かさ、人の気配、ほっとする時間が、より大きな価値になるのではないでしょうか。

スタッフ全員で試してほしいこと

私の「とっておきの提案」

ぜひ、スタッフ全員で一杯の温かいうどんを食べてみてください。そして、「このうどんの一番良いところは何だろう?」と聞いてみてください。

  • 麺でしょうか
  • 出汁でしょうか
  • 香りでしょうか
  • 具材でしょうか
  • 温かさでしょうか

スタッフによって答えが違うかもしれません。その答えの中に、お客様へ伝えるべき自店の価値が隠れています

そしてもう一つ。「何を一つ変えれば、もっと美味しくなるだろう?」これも聞いてください。

毎日1%ずつ改善する。その積み重ねが、一年後には大きな差になります

ぜひ今週、スタッフ全員で一杯の温かいうどんを食べてみてください。そして、「このうどんの一番良いところは何だろう?」と聞いてみてください。

麺でしょうか。出汁でしょうか。香りでしょうか。具材でしょうか。温かさでしょうか。スタッフによって答えが違うかもしれません。

その答えの中に、お客様へ伝えるべき自店の価値が隠れています。そしてもう一つ。「何を一つ変えれば、もっと美味しくなるだろう?」これも聞いてください。

毎日1%ずつ改善する。その積み重ねが、一年後には大きな差になります。

今日からできる6つのこと

□ 温かいうどんの出汁をスタッフ全員で試飲する。
□ 提供時の温度を確認する。
□ 丼・麺・出汁・提供時間まで一連の流れを確認する。
□ 秋の高たんぱくメニューを一品考える。
□ POPで「商品名」ではなく「食べたくなる理由」を伝える。
□ スタッフ全員が今週のおすすめを一言で説明できるようにする。
全部を一度に変える必要はありません。
一つ変えれば、昨日より良い店になります。

みなさまへの質問

皆さまのお店で、一番人気の「温かいうどん」は何ですか?

  • 肉でしょうか
  • 出汁でしょうか
  • 価格でしょうか
  • ボリュームでしょうか
  • 昔からの定番だからでしょうか

ぜひ教えてください。

また、「うちでは、こんな温かいうどんがよく売れる」「この食材を組み合わせたら好評だった」といった成功事例も大歓迎です。

掲載の可否を確認したうえで、今後のブログ記事で皆さまの知恵を共有していきたいと考えています。

コメントはこちらから

まとめ

・温かいうどんは、味だけでなく五感で楽しむ商品である。
・秋冬は「出汁」が主役になる。
・温度と提供時間まで含めて品質である。
・具材を工夫すれば、満足度と客単価を同時に高められる。
・高たんぱく・野菜・発酵食品を組み合わせ、健康価値を高める。
・商品の特徴だけでなく、「食べたくなる理由」を伝える。
・スタッフ全員で試食し、毎週一つ改善する。

お客様は、麺だけを食べに来ているのではないということです。店へ入り、出汁の香りを感じ、湯気の立つ丼が運ばれてきて、温かいうどんを口にする。

そして、「ああ、美味しかった。」「身体が温まった。」「また来よう。」と思って帰っていただく。そこまで全部が商品です。

これからAIや自動化が進んでも、この「美味しかった」という人間の感覚はなくなりません。むしろ便利になる時代だからこそ、一杯のうどんで感じる温かさ、人の気配、ほっとする時間が、より大きな価値になるのではないでしょうか。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

1948年5月、香川県坂出市生まれ。
国立高松工業高等専門学校 機械工学科を卒業後、川崎重工株式会社にて航空機の機体設計に従事。

その後独立し、1975年に大和製作所を創業。製麺機の開発・販売を通じて、麺業界の発展に貢献し、小型製麺機においては業界トップシェアを確立。

1984年には麺の研究を開始し、麺研究室(ジャパンフードリサーチ)を創業。讃岐うどんの伝統製法を科学的に解析し、現代の小麦粉に適した独自製法を確立。

1986年に株式会社讃匠を設立し、本格的にうどんの製造・販売を開始。「亀城庵」ブランドは楽天市場にてグルメ大賞を史上初の10回連続受賞するなど、高い評価を獲得。

また、2000年にうどん学校、2004年にラーメン学校・そば学校を開校し、これまでに多数の繁盛店を輩出。「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として、テレビ・メディア出演や全国講演も多数。麺ビジネス一筋に50年以上携わる

令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

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