うどんの画像

連載全3回のうち第2回目

作成:讃匠 麺研究センター

従業員育成の悩みと永い繁栄のために

前回のブログの様に、当社の麺学校では開校当時から上記の様に、経営講義に非常に力を入れています。 その理由は、美味しい料理を作れても長く繁盛し続けるためには、経営能力を高めることは経営者には必須なのです。 折角、美味しい料理を作って大繁盛しても、永く続かなかったお店をたくさん見てきました。 そして、私も自分のビジネスを通じて、経営に関する知識、学びが不足していたために、 嫌というほど授業料を払ってきました。 従って、新しく始める生徒さんたちには、経営についての学びの重要さを理解して欲しいのです。
飲食店舗を経営する経営者に取っては、従業員に対しては、従業員を育成する場の提供を行なっているのです。 優秀な従業員を採用したいと思えば、深い学びの場の提供は必須です。
優秀な従業員ほど、お金ではなく、深い学びが得られる場を選ぶのです。 従って、博多一風堂などは、飲食ビジネスで成功したい若者たちの学びの場になっているのです。

B.長く繁盛するための秘訣

そして、本日の経営講義では、韓国から来られた別の生徒さんから次の様な質問が出てきました。

質問:あまり流行にとらわれず、長く続くお店を作るには何がポイントでしょうか?

それに対して、私の回答は次の通りです。

1. 一番大切なことを深く掘り下げること、食べ物の本質を突き止めること、食べ物の本質とか、まず美味しいこと、健康に良いこと、人々を元気にすること、幸せにすることだと思います。
2. 当社が行なっている製麺機等のビジネスと違い、飲食業の特徴は、1人当たりの単価が安く、繰り返して、多くのお客さまに来店して戴かないと利益が出ないビジネスです。
3. 毎日のように来店するお客さまは気づきます。この店に来ていると元気になるとか、体調が良くなるとか、病気が治ったとか、そのようなお客さは友人、知人に必ず紹介するでしょう。
4. すると、広告宣伝等が不要で、お客さまがお客さまを呼んでくれるのです。
5. その結果、繁盛するかどうか、永く繁盛するかどうかが自然に決まってくるのです。
6. 飲食ビジネスは決して、難しいビジネスではなく、お客さまをハッピーにし続け、ハッピーになるお客さまを増やし続けることなのです。そして、これはどんなビジネスにも共通に言えることなのです。

飲食店で、化学調味料を使っている人は結構多いです。 当社は、会社内で社内食堂を運営して、社員全員に無料で健康に良いランチを提供しています。
キムチ等も自家製で、一切化学調味料を使わずに、健康に良い食材を吟味して使っているのです。 その結果、社員でなかなか子供さんに恵まれなかったのに、3人の人が子供さんに恵まれました。 私は、食べ物は人が幸せになれる原点だと信じています。
当社の場合は、関連会社の大和製作所と違い、パートさんが多く、多くのお客さまに驚かれるのは、 “若いパートさんが多いですね”と言われます。 どの企業でも若いパートさん集めに大変苦労していますが、その理由の1つは昼の無料で、健康的な食事にあるようです。 働く人たちに喜んで頂き、幸せになった社員がお客さまをハッピーにすると思っています。 コストはかかりますが、これからも社員を幸せにし続けることをエンドレスに取り組み続けようと思います。 まず最初に、働く人たちを幸せにして、幸せになった社員がお客さまを幸せに出来ると思います。

以上の様に飲食ビジネスは、キチンとやれば、何年もかからずに、早く結果が出るビジネスです。 ところが、大和製作所の製麺機ビジネスは、機械自体が高価な上に、何十年も使い続けることができるのです。
従って、大和製作所の機械を使った結果、麺が美味しくなり、お客さまに喜ばれて、 繁盛するという結果が得られるまでに時間がかかるのです。 更に、うどんの製麺機から始めたので、うどん蕎麦業界の人たちは、新しいものには非常に保守的な部分があり、 大和製作所のビジネスが軌道に乗るまでに、永い時間がかかった原因であると思っています。 私は製麺機ビジネスを始めてから気づいたことは、 成功するまでに長い時間がかかるビジネスであると言うことでした。
特に、機械製造業はパテント取得とか、技術力の構築、人の成長、組織の構築、知名度の高まり等、 ビジネスには時間がかかるということを嫌というほど知らされたのです。 40年前に始めた製麺業の当社の方は、起業して軌道に乗るまでが、製麺機ビジネスよりはるかに短期間でした。 麺の場合は、食べて貰えば結果がすぐに出るビジネスなので、早かったのです。 私は、大和製作所と当社のビジネスを通じて、得られたことは長く繁盛することの大切さでした。