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ロッキー藤井の繁盛支援コンテンツ

お店のコンセプトに合う「麺の食感」の選び方|讃岐うどんは強いコシだけではない

うどん店を経営されているみなさまに、一度しっかり考えていただきたいことがあります。

それは、自分のお店のコンセプトに合った麺の食感になっているかということです。

日々の営業に追われていると、麺はいつも通りで当たり前、という感覚になりがちです。しかし、麺の食感はお店の個性をお客様に伝える、大切な要素のひとつです。

お客様が「また来たい」と思う理由の中に、実は麺の食感が深く関わっていることがあります。
ぜひ一度、立ち止まって見直してみてください。

思わぬ改善のヒントが見つかるかもしれません。

繁盛する店は、麺の食感に明確な考え方を持っている

私は讃匠の創業者として、長年、全国のうどん店・麺ビジネスを見てきました。

その中で、いつも感じることがあります。繁盛する店は、麺の食感に明確な考え方を持っています。

・ただ「コシが強ければよい」
・ただ「硬ければ本格的」
・ただ「昔ながらなら安心」
そういった単純な考え方ではありません。

自分のお店は、どんなお客様に、どんな時間を過ごしていただきたいのか。どんな一杯を食べたあとに、どんな気持ちで帰っていただきたいのか。その考え方に合わせて、麺の食感を設計しています。

讃岐うどんは「強いコシ」だけではない

讃岐うどんというと、多くの方が「強いコシ」を思い浮かべます。もちろん、しっかりしたコシは讃岐うどんの大きな魅力でもあります。しかし、讃岐うどんの魅力は、それだけではありません。

もちもち感、なめらかさ、のど越し、噛んだときの弾力、小麦の香り、口の中でほどよくほどける感覚。これらが合わさって、最終的に記憶に残る「美味しい麺」となります。

とくに最近は、お客様の好みも多様化しています。強いコシを好む方もいれば、柔らかめで食べやすい麺を好む方もいます。小さなお子様や高齢のお客様には、噛みやすくのど越しのよい麺が喜ばれることもあります。女性客や健康志向のお客様には、国産小麦らしいやさしい風味や自然なもちもち感が好まれることもあります。

つまり、これからのうどん店に必要なのは、「自店のお客様に合う食感を選ぶ力」です。

ASWと国産小麦では、麺の表情が変わる

麺の食感を考えるうえで、まず大切なのが小麦粉の違いです。

讃岐うどんでは、これまでASW(オーストラリア産小麦)を使った小麦粉が広く使われてきました。ASWは、讃岐うどんらしい弾力、なめらかさ、安定した品質を出しやすい小麦です。しっかりしたコシを出しやすく、日々の製麺でも扱いやすい。多くのうどん店にとって、非常に頼りになる小麦です。

一方で、国産小麦にはまた別の魅力があります。

・やさしい香り
・自然な甘み
・もちもちとした食感
が出やすい傾向があります。ASWに比べると、力強いコシというより、やわらかさ・粘り・風味・口当たりのよさが魅力になります。

もちろん、品種や配合、製麺条件によって食感は変わります。しかし大きく見ると、ASWにはASWの良さがあり、国産小麦には国産小麦の良さがあります。

大切なのは、どちらが上か下かではありません。自店のお客様にとって、どちらの食感が喜ばれるのか。ここを考えることです。

お店のコンセプトに合わせて、食感を選ぶ

麺の正解は一つではありません。正解は、お店のコンセプトお客様の期待の間にあります。

たとえば、セルフ型で回転率の高いお店であれば、しっかりしたコシと提供後の安定感が大切になります。忙しい時間帯でも麺がだれにくく、短時間で満足感を出せる食感が求められます。

一方で、ゆっくり食事を楽しんでいただくお店であれば、小麦の香りや、やさしいもちもち感を大切にした麺も合います。家族連れが多いお店なら、お子様から高齢のお客様まで食べやすい、ほどよい弾力とやわらかさが喜ばれるかもしれません。

観光客が多いお店なら、「讃岐うどんを食べた」という印象が残る、しっかりした食感が求められることもあります。

地域密着型のお店なら、毎日食べても飽きない、やさしく自然な食感が合う場合もあります。

「食感」は、お店のメッセージである

麺の食感は、単なる技術ではありません。それは、お店からお客様へのメッセージです。

「しっかり食べて元気になってほしい」「やさしい味でほっとしてほしい」「本場らしい讃岐うどんを楽しんでほしい」「毎日でも食べられる一杯にしたい」その思いが、麺の食感に表れます。

だからこそ、麺づくりは単なる作業ではありません。お客様にどんな価値を届けるのかを決める、大切な経営判断です。

これからの麺ビジネスに必要なのは、単に麺を仕入れ提供することだけではなく、お客様の記憶に残る食感価値をどのようにお店の魅力に変えていくか、という視点です。

自店の麺を見直すときに確認したいこと

麺の状態は、提供するメニューや季節によって、よりはっきりとお客様に伝わることがあります。

水で締めたときに、どのような弾力が出るのか。つゆと合わせたときに、麺の香りが残るのか。最後の一口まで、食感が保てるのか。お客様が「また食べたい」と思う印象が残るのか。こうした視点で確認しておくことが、日々の繁盛につながります。

ぜひ一度、自店の麺を次の視点で見直してみてください。

  • 自店のお客様は、強いコシを求めているのか。それとも、やさしいもちもち感を求めているのか。
  • 冷たいうどんにしたとき、麺の良さは十分に出ているのか。
  • 小麦粉の選び方は、今のお店のコンセプトに合っているのか。
  • スタッフ全員が、自店の麺の特徴を説明できるのか。

この問いを持つだけで、お店の麺は変わり始めます。

まとめ

讃岐うどんは、強いコシだけが正解ではありません。ASWには、しっかりした弾力と安定感があります。国産小麦には、やさしい香りや、もちもちとした自然な食感があります。どちらが正しいかではなく、どちらが自店のお客様に合っているかを考えることが大切です。

麺の食感は、お店のコンセプトを伝える大切なメッセージです。そして、その食感を安定して届けることが、お客様の信頼につながります。

夏に向けて、ぜひ一度、自店の麺の食感を見直してみてください。その一杯が、お客様の記憶に残る一杯になるかもしれません。

讃匠では、業務用の麺を取り扱っており、実際の麺の品質を確かめていただけるよう、サンプルのご依頼も受け付けています。ぜひお気軽にお試しください。

Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

1948年5月、香川県坂出市生まれ。
国立高松工業高等専門学校 機械工学科を卒業後、川崎重工株式会社にて航空機の機体設計に従事。

その後独立し、1975年に大和製作所を創業。製麺機の開発・販売を通じて、麺業界の発展に貢献し、小型製麺機においては業界トップシェアを確立。

1984年には麺の研究を開始し、麺研究室(ジャパンフードリサーチ)を創業。讃岐うどんの伝統製法を科学的に解析し、現代の小麦粉に適した独自製法を確立。

1986年に株式会社讃匠を設立し、本格的にうどんの製造・販売を開始。「亀城庵」ブランドは楽天市場にてグルメ大賞を史上初の10回連続受賞するなど、高い評価を獲得。

また、2000年にうどん学校、2004年にラーメン学校・そば学校を開校し、これまでに多数の繁盛店を輩出。「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として、テレビ・メディア出演や全国講演も多数。麺ビジネス一筋に50年以上携わる

令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。