連載全2回のうち第2回目
作成:讃匠 麺研究センター
3-①事業計画書の構成の続きです。
●次に減価償却の計算です。
建築費は最初から建てる場合と既に建物があり、 内装だけの場合では償却年数が異なります。
それぞれの償却年数は次の通りです。
●資金調達と返済方法
自己資金と総投資金額のバランスで不足金額を借入れします。 但し、余裕の運転資金もここで確保しておいて下さい。
運転資金がゼロでは気持ちのゆとりがなくなります。 ここでは借入れした金額を5年で均等返済の計算をします。 実際は金額が大きくなると7年程度の返済期間になりますが、 安全サイドで5年で計算します。 これで月額の返済金額が計算出来ます。
●要員計画
ここでは社員、パート、アルバイトに分けて計算をします。 まず、社員を使うかどうか、パート、アルバイトを それぞれ何名にして幾ら位の月額にするかを決めていきます。 こうして月間人件費を算定します。
③月次売上見込
ここでは想定される売上見込の計算です。 最初に月間売上見込を計算していきます。
売上は
客単価×席数×回転率=売上
の数式で表されます。
ここで重要なことは売上を平日、土曜日、日曜日に分け、 更にそれぞれを昼、夜に分けることです。
と、言うことは30日立地の場合は、 当然、平日より土日の客単価、売上が大きくなります。
また、平日、土日とも、昼と夜は客単価が異なってきます。
注記)昼と夜の営業時間の境目は夕方の5時です。
a) 平日の昼間はターゲットとするお客様が 毎日でも気軽に来て貰える客単価を設定します。
例えば、サラリーマン対象であれば、600円などです。
b)夜はアルコールを出す店の場合、通常は昼の客単価の2倍から3倍です。
c)土日の客単価は30日立地の場合は家族客が主体になるので、 平日の昼間の客単価より高くなります。
例えば、平日が800円の場合は土曜日が950円、 日曜日が1100円などです。
次に客席数ですが、これは正味の席数で計算します。
満席率は考えません。
全部で50席であれば、50で計算します。
最後に回転率です。これは客席回転率を言います。
昼間は5時までに客席が何回転するかの計算をします。
夜間は5時以降です。
例えば、50席で昼間客数が150人であれば、 3回転と言うことになります。
通常、行列が出来始める回転数が5回転です。
最初は営業に慣れていなくて自信が持てない場合は 2~3回転に置くと無難です。
夜は客単価が高くなるので、回転率は当然落ちます。 通常は昼間の半分以下です。
④採算計算書
採算計算書の一番の目的は利益が出るかどうか、 そしてどの位出るかどうかの見当を付けることです。
算出に当っての注意は次の通りです。 ここでは総投資金額、減価償却、返済月額、人件費、 月間売上金額が既に今までの計算で算出されているので、 これらの数値が自動計算でここに入って来ます。 採算計算書で注意すべき数字は次の通りです。
a) 原材料比率:
最近の麺ビジネスの場合は通常40%前後です。 自家製麺に特化すればするほど原材料比率は下がります。 ご飯類、丼等の比率が高まると原材料比率が高まります。 最近は、原材料比率が以前より高くなり、 繁盛店としての目安は40%前後になってきました。
b) 人件費率:
通常は25%~30%です。 但し、初期は全員が慣れていないので、 かなりオーバーする可能性があります。
c) 水道光熱費率:
麺ビジネスの場合は、 ガスの場合は、通常は10%前後です。 麺ビジネスの場合は茹で立てを提供するので、 茹で釜がガスを大量に消費します。 都市ガスの場合は高くなり、営業時間が長くなるほど高くなります。 これからの時代のお勧めはIHで、電気に変更することにより、 初期投資は高くなりますが、ランニングコストは数分の1に 減少するので、特に働く環境が良くなり、人の手当が楽になります。
d) 家賃比率:
通常の家賃比率は7%です。 従って、家賃が40万円であれば、 約600万円程度の売上が必要になります。
e) キャッシュフロー:
全ての支払いの後、手元に残るお金の総額です。
実際には減価償却費は外部に出ませんので、減価償却費もこれに含まれます。
この金額が希望する月額になっているかどうかのチェックをします。
ここではまず1年間を通じて季節変動があることを理解します。
季節変動も20日立地と30日立地では大きく異なります。
30日立地では8月の売上が年間最高になり、2月が最低になります。
20日立地では2月が最低ですが、8月が最高にはなりません。
ここでは更に3年間を通しての損益計算を行い、3年間の推移を計算します。
大和麺学校では、希望の生徒さんがいらっしゃったら、 事業計画書を確認し、アドバイスさせていただいております。
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