連載全4回のうち第3回目
作成:讃匠 麺研究センター
6.麺厚の計測方法の①① 手打ちうどん職人の場合「手触りと感覚による計測」の続きからです。
グループ会社の大和製作所の製麺機には「厚延計」が搭載されており、 うどん生地をロールにかけて圧延する度に、 デジタル表示機能で厚さを1/10ミリ単位で正確に確認する事が可能です。 ですから、勘や伝えにくい五感で覚える必要がありません。讃匠でもこの大和製作所の製麺機を使って麺づくりを行っています。<br? 切幅は麺生地をカットする際の生地を包丁刃に運ぶベルトコンベアのスピードで調整する事ができます。 一度サイズが決まれば、当社のうどん用製麺機「真打」には テレビのチャンネルのような切幅設定スイッチが3個ついており、 3種類のオリジナルの切幅設定をする事ができるので、 誰がカットをしても同じサイズに揃える事が可能になります。例えば、スイッチ1に合わせた場合、かけうどん用の麺の太さになります。 スイッチ2に合わせた場合、ざる用の麺の太さになる。 といった風に店舗で自由に麺の太さを設定する事が可能になるのです。
うどんを圧延する際、カットをする際には打ち粉と呼ばれる粉を振る作業工程があります。 当社では、圧延時には「友粉(ともこ)」、 カット時に使用する粉は「打ち粉(うちこ)」と呼び分けており、 使用する粉も違います。 圧延時はうどんの生地と同じ小麦粉を使用し、 カット時には湯に入れても粘りのでにくい加工澱粉を使用します。 この使用する粉の種類によって、 作業効率や麺質の仕上がりに大きな影響を与えます。 さらには量、使い方によって、麺の滑らかさ、弾力、食感が変わるため、 目的や作業環境に合わせた選択が重要です。 時々、加工澱粉が手に入らない場合、コーンスターチを使用する方もいますが、 麺の食感を変えてしまったり、茹で釜を汚す原因にもなるので、 なるべくコーンスターチではない方が理想的です。
カットした麺線を時間を置かないで、すぐに茹でることが理想ですが、 やむなく置く場合は置き時間によって加水を少しだけ減らし、くっつき難くしたり、 上記でも触れましたが、圧延時には「友粉(ともこ)」、 カット時に使用する粉は「打ち粉(うちこ)」を使用します。 粉を打つ理由は麺生地や麺線同士がくっつかないようにする為なのですが、 カットした麺を置くとどうしても麺線はくっつきやすくなってしまいます。 麺を切り置きしない事が理想ですが、 やむなく置く場合は置き時間によって配合や量の調節が必要です。 どうしても、長時間置く必要のある場合は、麺線が乾燥しないようにして、 冷凍保管することをお勧めします。 カットした麺をすぐに茹でる場合は打ち粉をする必要はありません。 なるべく友粉を払い落として茹で釜に投入しましょう。 やむなく切り置く場合は打ち粉を使用します。 生うどんのテイクアウトなどをおこなう場合は、しっかりと打ち粉を打つようにして下さい。
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