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連載全2回のうち第1回目

作成:讃匠 麺研究センター

うどん県で一番繁盛するのは「うどん店」ではない衝撃の事実

目次

香川県の「常識」を覆す衝撃の事実

多くの人は、香川県といえば「うどん県」だと思っています。 当然、一番繁盛しているのはうどん店だろうと考えるのが普通でしょう。

しかし、これは大きな間違いです。

香川県の外食業界で最も成功している店。 それは、丸亀市にある骨付鶏「一鶴」(いっかく)なのです。

なんと、席数300席という巨大店舗が、平日の夜でも行列を作る化け物のような店。 創業75年、全国11店舗、年商34億円という圧倒的な数字が、その実力を物語っています。

なぜ、うどん県でうどん店ではない一鶴がトップに君臨できるのか? その秘密は、徹底的に絞り込まれたメニュー構成と、 ブレない明確なコンセプトにあります。

一鶴の驚くべきメニュー戦略

一鶴の最も特筆すべき点は、メニュー数が非常に少ないことです。

メインは骨付鶏。それもたった2種類。 「ひなどり」と「おやどり」。 これがメニューの中心であり、他は付け合わせ程度。

300席という大型店舗を支えているのは、 この極限まで絞り込まれたシンプルなメニューなのです。

多くの経営者は「メニューを増やせば売上が上がる」と考えます。 しかし、一鶴は真逆のアプローチで大成功を収めています。

お店が持つ「根っ子」とは、本来持っている強みのことです。

”なぜか?”というと、答えは明確です。 メニューを絞ることで、その料理に対する専門性と品質を極限まで高めることができるからです。

繁盛しないうどん店の共通点

私は長年、多くの飲食店経営者とお付き合いしてきました。 その中で気づいた重要な事実があります。

繁盛していないうどん店には、ある共通点があるのです。 それは「メニューが多すぎる」ことなのです。

うどん、そば、丼もの、定食、カレー、パスタ… まるでファミリーレストランのように、何でも置いている店が非常に多いのです。

経営者は「選択肢を増やせばお客様が来てくれる」と考えがちですが、 実際は逆効果になっているケースがほとんどです。

そのような悩みを抱えるお客様が来られた時、 必ず一鶴にご案内していました。

「メニューは少なく、しかし専門性は高く」 この原則を体感していただくためです。

一鶴が教えてくれる成功の法則

皆さん、一鶴を訪れて必ず驚かれます。 特に平日の夜、300席の大型店が行列になっている光景を見ると、 言葉を失ってしまう方がほとんどです。

「なぜ、こんなにシンプルなメニューで、これほど繁盛するのか?」

答えは明確です。 一鶴には、ブレない明確なコンセプトがあるからです。

一鶴のコンセプトは、「お客様のストレス発散の場の提供」です。

この1点に全てが集約されています。

だから、手づかみで豪快に食べる骨付鶏、お客様が大声を出しても気にしない雰囲気、ストレス発散を促すような店内設計、「いらっしゃい!」という威勢の良い掛け声、全てが「ストレス発散」というコンセプトに基づいて設計されています。

全てが「ストレス発散」というコンセプトに基づいて設計されています。

そして、そのコンセプトを最大限に活かすために、 メニューを骨付鶏に絞り込んだのです。

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