利益を生み出す
高品質の仕入れ麺

秋冬に売れる「もう一品」をどうつくるか|+100円、+200円の注文が、うどん店の利益を変える

いつもありがとうございます。讃匠です。

以前の記事では、「850円の商品を900円に値上げするより、+150円でもお客様が自分から選びたくなる商品をつくってみませんか。」という話をしました。

今回は、もう一つの方法です。うどんそのものの価格を上げなくても、「もう一品、これも食べたい」と思っていただける商品をつくることです。

例えば、100円、150円、200円、300円。一つひとつは小さな金額です。しかし、この小さな追加注文が積み重なると、店の売上だけでなく、利益も大きく変わってきます。

うどん一杯で帰っているお客様はいませんか

皆さまのお店を、一度見渡してみてください。
うどんを注文して、それだけで食事を終えているお客様は、どれくらいいるでしょうか。

そのお客様に無理に何かを売る必要はありません。
しかし、「これなら、うどんと一緒に食べたい。」と思うものが目の前にあればどうでしょう。

「もう一品」の例

  • 揚げたての天ぷら
  • 小さないなり寿司
  • 炊き込みご飯
  • 温かいおでん
  • 季節の小鉢

特に秋から冬にかけては、温かいものや少し食べ応えのあるものが欲しくなります。ここに客単価を上げるチャンスがあります。

客単価を50円上げるだけでも、大きな違いになる

1日の売上比較(棒グラフ)

1日100人来店の場合の売上
現状客単価 850円
85,000円
+50円客単価 900円
90,000円

例えば、1日に100人のお客様が来店する店を考えてみます。

期間ごとの差

客単価+50円で増える売上
1日
5,000円
1か月
125,000円
1年
1,500,000円
※1日100人来店・月25日営業で計算

たった50円です。

全員のお客様に200円の商品を買っていただく必要はありません。一部のお客様が「もう一品」を注文してくださるだけでも、平均客単価は変わります。

だから私は、「大きなことを一度にやるより、小さな改善を積み重ねる。」これが大切だと考えています。

例えば、1日に100人のお客様が来店する店を考えてみます。

 平均客単価1日の売上
現状850円85,000円
追加注文で+50円900円90,000円

この差を期間で見ると、次のようになります。

期間売上の違い
1日5,000円
1か月(25日営業)125,000円
1年1,500,000円

たった50円です。

全員のお客様に200円の商品を買っていただく必要はありません。
一部のお客様が「もう一品」を注文してくださるだけでも、平均客単価は変わります。

だから私は、「大きなことを一度にやるより、小さな改善を積み重ねる。」これが大切だと考えています。

「何を売るか」より、「一緒に欲しくなるか」

ここで重要なのは、単品として売れそうなものを考えることではありません。
主役は、あくまでうどんです。

考えるべきなのは、「このうどんを食べるときに、何が一緒にあれば、もっと嬉しいだろう。」ということです。

主力から逆算する「もう一品」
かけうどん +小さな天ぷらが一つ欲しい
肉うどん +口直しになる小鉢が欲しい
寒い日 +おでんを一つ食べたい
昼食 +小さなご飯ものが欲しい

このように、主力商品から逆算して「もう一品」を考える。ここが大切です。

ここで重要なのは、単品として売れそうなものを考えることではありません。
主役は、あくまでうどんです。

考えるべきなのは、「このうどんを食べるときに、何が一緒にあれば、もっと嬉しいだろう。」ということです。

うどん・場面一緒に欲しくなるもの
かけうどん小さな天ぷらが一つ欲しい
肉うどん口直しになる小鉢が欲しい
寒い日おでんを一つ食べたい
昼食小さなご飯ものが欲しい

このように、主力商品から逆算して「もう一品」を考える。ここが大切です。

「もう一品」は、大きくしすぎない

追加商品を考えるとき、讃匠は、少し物足りないくらいの大きさでもよいと考えています。なぜなら、お客様はもう、うどんを注文しているからです。

大きすぎる例
大きないなり寿司を二つ
大きな丼
たくさんのおかず
お腹いっぱい・価格も上がる
ちょうどよい例
小さないなり一個
天ぷら一個
おでん一品
小さな炊き込みご飯
小鉢一品

こうした、「これくらいなら付けようかな」と思える量と価格が重要です。

追加商品ほど、原価をよく見る

ここは特に大切です。客単価を上げるために商品を増やしたのに、利益がほとんど残らない。これでは意味がありません。

例えば200円で売る商品でも、次のような点まで考える必要があります。

  • 材料費
  • 仕込みの時間
  • 調理時間
  • 廃棄
  • 洗い物
  • 保管場所
  • スタッフの手間

売価200円の商品をつくるために、現場が大混乱するなら、良い商品とは言えません。

私は、「売れるか」だけでなく、「簡単に提供できて、きちんと利益が残るか」まで見ていただきたいと考えています。

一つの材料を、いくつの商品に使えるか

小さなお店ほど、材料を増やしすぎないことが重要です。「もう一品」のためだけに、新しい材料を何種類も仕入れる。これは危険です。

  • 余れば廃棄になる
  • 在庫管理も増える
  • 仕込みも複雑になる

そこで考えていただきたいのが、「今ある材料でつくれないか」ということです。

例えば、すでに使っている次のような材料です。

  • 卵
  • ねぎ
  • 肉
  • きのこ
  • 大根
  • 油揚げ
  • 天ぷら材料

こうした材料を、別の商品にも活用する。一つの材料を、複数の商品で使う。これだけでも、在庫の負担は大きく変わります。

「もう一品」は、お客様の目に入っていますか

良い商品をつくっても、お客様が知らなければ注文されません。厨房の奥に、「実は美味しいおでんがあります。」では、もったいない。

見せる場所の例

  • 注文する場所
  • メニュー
  • テーブル
  • レジ前

お客様の目に入るところに、「うどんと一緒にどうぞ」と見せる。そしてスタッフから、「今日はこちらもおすすめです。」と一言伝える。

これだけでも違います。

商品を増やすだけではなく、どうやって気づいていただくかまでが商品づくりです。

とっておきの提案

ここで私から、提案です。「+200円以内の商品を一つだけ」つくってみませんか。

条件は5つです。

ここで私から、提案です。「+200円以内の商品を一つだけ」つくってみませんか。

条件は5つです。

  1. 今ある材料をできるだけ使う
  2. 仕込みを増やしすぎない
  3. 注文されてから時間がかからない
  4. 廃棄が出にくい
  5. うどんと一緒に食べたくなる
「+200円以内の一品」5つの条件
1 今ある材料をできるだけ使う
2 仕込みを増やしすぎない
3 注文されてから時間がかからない
4 廃棄が出にくい
5 うどんと一緒に食べたくなる

進め方

  • 一週間だけ、目立つ場所に置いてみる
  • スタッフにも、「うどんと一緒に、こちらはいかがですか。」と一言だけ声をかけてもらう
  • 何個売れたかを数える

これだけです。最初から完璧な商品をつくる必要はありません。

お客様の反応を見ながら、少しずつ変えていけばよいのです。

今日からできる6つのこと

  • うどんだけを注文しているお客様が何割くらいいるか見る。
  • 今ある材料でつくれる「もう一品」を考える。
  • +100~200円程度で試せる商品を一つ決める。
  • 材料原価だけでなく、仕込みや提供の手間も確認する。
  • お客様の目に入る場所に商品を置く・表示する。
  • 一週間、販売個数と追加売上を記録する。

大切なのは、最初から10品つくらないことです。まず一品。一週間試してみる。そこから始めてください。

みなさまへの質問

皆さまのお店では、うどんと一緒によく売れる「もう一品」は何でしょうか?

  • 天ぷら
  • いなり寿司
  • おでん
  • 炊き込みご飯
  • 皆さまのお店独自の商品

ぜひ、「これは意外によく売れる」という商品を教えてください。

また、次のような失敗例も大歓迎です。

  • 「つくってみたけれど、全然売れなかった。」
  • 「手間ばかり増えて、やめてしまった。」

成功事例だけでなく、失敗事例にも大切な知恵があります。皆さまからいただいた事例は、掲載の可否を確認したうえで、今後のブログで共有していきたいと思います。

全国の麺店の小さな工夫を集めれば、小さなお店でも利益を残せる知恵が、たくさん見つかるはずです。

【皆さまのもう一品を教えてください】

皆さまのお店では、うどんと一緒によく売れる「もう一品」は何でしょうか?

天ぷらでしょうか。いなり寿司でしょうか。おでんでしょうか。炊き込みご飯でしょうか。それとも、皆さまのお店独自の商品でしょうか。ぜひ、「これは意外によく売れる」という商品を教えてください。また、「つくってみたけれど、全然売れなかった。」「手間ばかり増えて、やめてしまった。」という失敗例も大歓迎です。成功事例だけでなく、失敗事例にも大切な知恵があります。皆さまからいただいた事例は、掲載の可否を確認したうえで、今後のPMS Letterで共有していきたいと思います。全国の麺店の小さな工夫を集めれば、小さなお店でも利益を残せる知恵が、たくさん見つかるはずです。

【コメントはこちらから】

まとめ

  • うどんそのものを値上げしなくても、客単価を上げる方法はある。
  • 「もう一品」の追加注文は、小さくても積み重なると大きい。
  • 主力のうどんから逆算して、一緒に食べたくなる商品を考える。
  • 追加商品は、大きくしすぎない。
  • 売れるかだけでなく、利益とオペレーションを見る。
  • 新しい材料を増やしすぎず、今ある材料を活用する。
  • まず一品、一週間試して数字を見る。

私は長年、麺店を見てきて、繁盛している店ほど、一杯のうどんだけを見ていないと感じています。

お客様がお店に入ってから、帰るまで。

その中に、「もう一品食べたい。」「これも美味しそう。」「次はあれを食べてみよう。」という小さな楽しみがいくつもあります。

一方で、店側が、「客単価を上げなければ。」「もっと売らなければ。」と考えすぎると、お客様にもそれが伝わってしまいます。

私は、売ることから考えるのではなく、喜んでいただくことから考える。これが大切だと考えています。

寒い日に、熱々のうどんの横に、よく味の染みたおでんが一つある。揚げたての天ぷらが一つある。炊きたての小さなご飯がある。お客様にとっては、小さな幸せです。

そして、その小さな幸せが、結果として店の客単価と利益を上げてくれる。これが一番良い商売ではないでしょうか。

ぜひ今週、皆さまのお店らしい「もう一品」を一つだけ考えてみてください。

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Picture of 藤井 薫(ロッキー藤井)
藤井 薫(ロッキー藤井)

1948年5月、香川県坂出市生まれ。
国立高松工業高等専門学校 機械工学科を卒業後、川崎重工株式会社にて航空機の機体設計に従事。

その後独立し、1975年に大和製作所を創業。製麺機の開発・販売を通じて、麺業界の発展に貢献し、小型製麺機においては業界トップシェアを確立。

1984年には麺の研究を開始し、麺研究室(ジャパンフードリサーチ)を創業。讃岐うどんの伝統製法を科学的に解析し、現代の小麦粉に適した独自製法を確立。

1986年に株式会社讃匠を設立し、本格的にうどんの製造・販売を開始。「亀城庵」ブランドは楽天市場にてグルメ大賞を史上初の10回連続受賞するなど、高い評価を獲得。

また、2000年にうどん学校、2004年にラーメン学校・そば学校を開校し、これまでに多数の繁盛店を輩出。「麺店の影の指南役」「行列の仕掛け人」として、テレビ・メディア出演や全国講演も多数。麺ビジネス一筋に50年以上携わる

令和5年 秋の叙勲にて「旭日単光章」受章。

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