いつもありがとうございます。讃匠です。
原材料費が上がる。人件費も上がる。光熱費も上がる。その一方で、お客様の財布のひもは簡単には緩みません。
このような時代に、「価格を上げるしかない。」と考えてしまいがちです。しかし私は、50年以上うどん業界を見てきて、もう一つの方法があると思っています。
それは、価格を上げる前に、一杯の価値を上げること。そのために、これからもっと活用していただきたいのが、トッピング、たんぱく質、そして発酵食品です。
では、これらをどのように組み合わせれば、お客様に喜ばれながら「一杯の価値」を高めることができるのか。今回はその具体的なアイデアと取り組みについて、紐解いていきたいと思います。
客単価アップは「売り込み」ではない
客単価アップという言葉を聞くと、「お客様にもう一品買ってもらう。」という発想になりがちです。
しかし私は、少し違うと思っています。本来の客単価アップとは、お客様の満足度を高めた結果として、支払っていただく金額が上がることです。
例えば、うどん一杯だけでは少し物足りない。そこへ、こうした食材を加える。
- 温泉卵
- 鶏肉
- 牛肉
- 豆腐
- 納豆
- きのこ
- 季節の野菜天
すると、「うどん一杯」から、「満足できる一食」へ変わります。
お客様が、「これなら、この価格でも納得できる。」と思ってくだされば、それは値上げではなく、価値向上です。
これからは「高たんぱく」が重要になる
私は今年の夏に書いたブログでも、何度もうどんにタンパク質を加えることをご提案してきました。うどんは非常に食べやすい食品です。
関連記事:夏のうどんはタンパク質で完成する。
子どもにも、高齢者にも好まれます。しかし、うどんだけではどうしても炭水化物中心になりやすい。だからこそ、こうしたものを組み合わせる。
- 鶏肉
- 牛肉
- 魚
- 卵
- 豆腐
- 納豆
- 乳製品
すると、一杯のうどんの栄養バランスは大きく変わります。これからのうどん店は、「お腹いっぱいになる店」から、「美味しく食べて、身体にも良い店」へ進化できると思っています。
発酵たんぱく質食品を、もっと活用する
私は、ここにもう一つ大きな可能性があると思っています。
それが、発酵食品です。日本には、こうした素晴らしい発酵文化があります。
- 納豆
- 味噌
- 塩こうじ
- 甘酒
さらに世界へ目を向ければ、こうしたものもあります。
- ヨーグルト
- チーズ
- 発酵乳製品
これらを、もっと自由にうどんと組み合わせてみてはどうでしょうか。
納豆は、うどんと非常に相性が良い
例えば、納豆うどん。納豆に、こうした食材を組み合わせる。
- 温泉卵
- 青ねぎ
- 大根おろし
- オクラ
- 海苔
これだけでも、食感。味。栄養。満足感。すべてが大きく高まります。納豆は日本人に馴染みがあり、うどんとも非常に合わせやすい食品です。
「健康トッピング」として見せ方を工夫すれば、新しい価値を作れると思います。
チーズは若い世代にも強い
チーズも、もっと積極的に使えると思います。例えば、こうした組み合わせです。
- カレーうどん+チーズ
- トマトうどん+チーズ
- 焼きうどん+チーズ
- 味噌ベースのうどん+チーズ
こうした組み合わせは、若い世代にも受け入れられやすく、「いつものうどんとは違う。」という楽しさも生まれます。これは、楽しさ(Entertainmen)の価値にもつながります。
ヨーグルトも「甘いもの」だけではない
ヨーグルトというと、デザートのイメージが強いかもしれません。しかし世界には、ヨーグルトを料理のソースとして使う文化がたくさんあります。
例えば、ギリシャヨーグルトに、レモン。ハーブ。オリーブオイル。塩。などを合わせれば、冷たいうどんやサラダうどんのソースにも使えます。
日本のうどんと、世界の食文化を組み合わせる。私は、こうした発想から、これまでにない新しい麺料理が生まれると思っています。
「健康トッピング」という売り方
ここで私から、とっておきの提案です。トッピングを、単に「卵100円」「肉200円」と表示するだけではなく、健康価値で分類してみる。
たんぱく質プラス
- 温泉卵
- 鶏肉
- 豆腐
- 納豆
発酵食品プラス
- 納豆
- チーズ
- 味噌
野菜プラス
- きのこ
- 海藻
- 根菜
- 季節野菜
こうすると、お客様は、「今日は何を足そうかな。」と楽しみながら選べます。
単なる追加注文ではありません。自分で一杯を完成させる楽しさが生まれます。これは、客単価アップと楽しさ(Entertainment)を同時に実現する方法でもあります。
スタッフの一言が、注文を変える
ただし、良い商品を用意しただけでは売れません。
大切なのは、伝えることです。例えば、こうした一言です。
- 「今日は温泉卵を付けると、たんぱく質も摂れますよ。」
- 「納豆とオクラの組み合わせが人気です。」
- 「カレーうどんにはチーズも合いますよ。」
こうした一言があるだけで、お客様は選びやすくなります。これは売り込みではありません。より満足していただくための提案です。
年計でトッピングの変化を見る
ここでも、年計を使ってください。毎年、どのトッピングが伸びているか。どれが減っているか。新しく追加した商品が定着したか。
お客様の好みは変化します。数字を5年、10年と追っていけば、その変化がはっきり見えます。そして、その変化を先取りすることが、次の商品開発につながります。
今日からできる6つのこと
□ 人気トッピングの売上を確認する。
□ 高たんぱくトッピングを3種類以上用意する。
□ 納豆・味噌・チーズなど発酵食品の活用を考える。
□ 「健康トッピング」という見せ方を試す。
□ スタッフがトッピングを一言で提案できるようにする。
□ 年計で商品別・トッピング別の推移を見る。
一度に全部を変える必要はありません。まず一品、新しい価値を加える。そこから始めてください。
みなさまへの質問
今週も皆さまの知恵を集めたいと思います。
- 皆さまのお店で、一番売れているトッピングは何ですか?
- 「意外な食材をうどんに合わせたら好評だった」という事例があれば、ぜひ教えてください。
納豆。チーズ。ヨーグルト。発酵食品。魚。肉。野菜。地域ならではの食材。何でも結構です。いただいたご意見は、掲載の可否を確認したうえで、今後のブログ・メルマガでご紹介していきたいと思います。
全国の皆さまの知恵が集まれば、「日本の新しいうどんトッピング図鑑」のようなものも作れるかもしれません。ぜひ、一緒につくっていきましょう。
まとめ
・客単価アップは、売り込みではなく満足度向上の結果である。
・値上げの前に、一杯の価値を高める。
・高たんぱく食品で、うどんを栄養バランスの良い一食へ進化させる。
・納豆、チーズ、ヨーグルトなど発酵食品には大きな可能性がある。
・健康トッピングという見せ方で、選ぶ楽しさをつくる。
・スタッフの一言が、商品価値をお客様へ伝える。
・商品別の年計を見て、お客様の変化を先取りする。
私は50年以上、麺づくりに関わってきました。昔のうどんは、麺と出汁が中心でした。しかし、ぶっかけうどんが生まれ、新しいトッピングが増え、食べ方が変わるたびに、うどん市場そのものが広がってきました。
私は、新しい食べ方が、新しい市場をつくると思っています。これからは、高たんぱく。発酵食品。健康。世界の食文化。こうしたものを自由に組み合わせることで、まだ見たことのないうどんが生まれるはずです。
伝統を守ることも大切です。
しかし、伝統とは、変えないことではなく、時代に合わせて進化させながら次世代へつなぐことではないでしょうか。ぜひ皆さまのお店から、新しい一杯を生み出してください。
コンテンツのご紹介・転載について
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